裁判所レポート1・裁判はだれでも傍聴ができる
裁判を傍聴したことはありますか?
実は今回相談を受けました。
実際に裁判所に傍聴することはできるのか、裁判所に行き実際の様子、施設内の注意事項等を確認してきました。
過払い金の裁判が本当に行われているのか
何年にも及ぶ借金の返済があり、過払い金の可能性を考えて弁護士に相談をした男性です。
消費者金融側が過払い金の請求額に納得ができなかったため、裁判が行われることとなりました。
弁護士が裁判を引き受けることになりましたが、本当にその裁判が行われているのか、引き延ばすだけではないのか、という不安に陥っています。
弁護士費用もただではありません。
初回相談では消費者金融が過払い金の請求額に納得ができなかった場合に裁判になることがあることは聞いていたものの、
それだけ長引いてしまえば費用が膨れ上がる心配もあります。
過払い金について詳しくはこちら
裁判はだれでも傍聴できる
実は裁判の傍聴はだれでもできます。
もちろん今、行われている過払い金返還請求の裁判も傍聴ができます。
弁護士に相談をして傍聴を希望することもできますが、
逆に弁護士から事前に傍聴を進められることもあります。
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もし、これから過払い金返還請求について弁護士に依頼するか、それとも個人で手続きを進めていくのかを考えているのなら、
実際に行われている裁判を傍聴してみるというのもよいでしょう。
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裁判は全国に400か所以上があります。
そのうち、請求額140万円以下を取り扱う簡易裁判所、140万円を超える裁判を扱う地方裁判所があります。
さらに裁判は、世間の対立を裁く民事と、犯罪を裁く刑事があります。
開廷表を確認
裁判所は営業時間内であればだれでも入ることができます。
今日行われる裁判にはどのようなものがあるのかを確認できるのが「開廷表」です。
一昔前までは事件表という名称だったため、現在もまだ事件表としている裁判所もありますが、多くの裁判所では開廷表としています。
裁判所には必ずロビーが用意されていますが、多くの場合にはそのロビー内に紙で用意されているか掲示板に貼り出されています。
どのような事件が貼り出されているのか、事件名とその内容を確認してきました。
・遺失物横領、占有離脱物横領
これはなんとなくイメージが付きやすかった事件名です。
拾ったものを落とし主に返さず、警察に届けることもなく横取りをした、置き引きをした、このような事件が扱われています。
・邸宅侵入
この日見た邸宅侵入事件は、刑罰は住居侵入と同等となるものの、この場合一般的な住居侵入ではなく「空き家」への不要侵入でした。
・道路運送車両法違反
車検のない車両を運転した罪の事件です。
点数を取られて、車検に通して終わりというイメージがありましたが、実際には裁判所にも出廷しなければならない大きな事件なのだそうです。
・道路整備特別措置法違反
この日の事件は高速道路へETCゲートを不正に通行した車への起訴でした。
・出資の受け入れ、預り金利等の取り締まりに関する法律違反
非常に長い名称で不明瞭ではありましたが要は闇金に対しる裁判が大半を占めているとのことです。
・不当利息返還請求権
これが過払い金返還請求の事件です。
不当に利益を得たとしてこの日も過払い金返還請求の裁判が行われていました。
裁判所の方の話によると、数年前までは過払い金返還請求事件が多かったものの、近年では
裁判前の和解が主流になっており、
実際に裁判に発展するまででもないというのは多いようです。
開廷表を見てみると「どの裁判が」「何日の何時から」「どこの法廷で」開かれるのかがわかります。
ただし!
法廷に入廷する際には気を付けなければならない注意事項、そしてマナーがあります。
入廷注意事項、マナー
基本的なマナーとして相当厳粛なものと考えてください。
というのも、法廷では多くの場合人生を左右する判決を原告人も被告人もその家族も待っています。
普段着で気軽に入廷できるものではなく、実際に法廷に入ってみても大半の方がフォーマルな服装で傍聴していました。
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禁止事項
・カメラやビデオでの撮影、録音
・発言、私語、拍手、新聞雑誌を読む
・はちまき、たすき、ヘルメット
・大きな荷物や危険物の所持
・居眠り
・アラーム付きの時計
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詳しい禁止事項は法廷前の廊下に「注意事項」として掲示されています。
体験談まとめ
筆者は裁判所に足を踏み入れたのは初めてです。
全く驚くことばかりで、これほど厳粛な雰囲気が漂っているのかと感じる一方で、
だれにでも開かれている場所であったことにも驚きました。
裁判所で案内してくださった担当者の方が
「気軽に来ていただいてもかまわない場所ですが、この場には、被告の死を望む遺族も、逆に死刑を宣告される被告もいるということを頭に入れておいてください」
とおっしゃっていました。
今回は過払い金返還請求について行われている裁判の流れを確認したいために裁判所に向かいました。
しかし確かに、ここで生死を分ける人もいます。
だれでも入ることができる裁判所ではありますが厳正な場所であることは間違いありません。